自律神経失調症は、疲れの総合症状

前回、漢方医学では、「内臓(因)ー血液循環・自律神経(縁)-脳(果)」という関係性でもって、生命を捉えていることを説明してきました。つまり、「生命のいとなみ」は、内臓のはたらきに根差しているという考え方です。

 

さて、ここから、より自律神経失調症の真相に迫っていきましょう。

自律神経の乱れは原因でなく、一現象にしか過ぎない

現代医学では、今のところ、「自律神経失調症は、自律神経が持続的に乱れた際に現れる、複数の症状のあつまり」といった認識にとどまっています。

しかし、この認識では、肩こりは肩の筋肉が凝っている状態、と説明しているのと同じで、何の問題解決にもなりません。

そして、首・肩こりの原因は、多くは首・肩に無いように、自律神経失調の原因も、その多くは自律神経そのものにはありません。自律神経の乱れは、諸症状が現れるまでの一つの現象(あるいは結果)にしか過ぎないのです。

また、自律神経は、非常にデリケートな組織なので、交感神経と副交感神経のアンバランスを、直接的に操作することが難しいとされています。

 

なら、どうすれば、いいでしょうか?

ここで、前回のブログ記事でお伝えした、「脳を中心において、自律神経に関わる問題が解決されないのであれば、その逆で考える」発想の逆転を行えば、自律神経失調症の『謎解き』が、よりスムーズになります。

漢方医学では、脳の問題を含め、自律神経系の異常は、あくまでも、内臓と血液循環の不調によって生じた結果として考えています。

また、「内臓(因)ー脳(果)」という関係性において、血液循環と自律神経は共に「縁」の位置づけです。それぞれの相性から、「内臓ー血液循環」「自律神経ー脳」のペアとしての相性がいい傾向にあります。

 

それを踏まえて、自律神経失調症が生じるまでのカラダ内部のストーリーを図に示すと、下のようになります(ここでは、脳に関わる問題を、大きく「脳の不調」として表現しています)。

上図のように、自律神経失調症は、「内臓の不調」と「血液循環の停滞」によるもの、この認識が自律神経失調症を解消する第一歩になると、漢方医学では考えられています。

「内臓の不調」と「血液循環の停滞」が起きると…

自律神経失調症の正体は、「内臓の不調」と「血液循環の停滞」によるものであることが分かりました。

では、「内臓の不調」と「血液循環の停滞」によって、そこから「自律神経の乱れ」「脳の疲れ」が生じるまでに、他にどんな問題が起こっているのでしょうか?

代表的な問題は、内臓・血管・筋肉など各組織を包む膜に緊張と弛緩のムラが生じることです。

この膜は、それぞれの組織同士の繋がりをよくするためのものです。膜が一定の張りを保っているときは、内臓・血管・筋肉のチームワークがいい状態になります。

 

しかし、膜の張りにムラが生じてしまうと、ある部分で膜が突っ張り、別の部分では弛緩するといった現象が起こります。この「ある部分」の膜の緊張が筋肉で起こったのが、いわゆるコリです。

筋肉のだけのコリでは、まだ問題として浅い段階です。段々、問題が慢性化すると、血管、そして内臓と、コリが内側に生じます。コリが更に深刻化していくと、遂にはガンのようなシコリになっていきます。

首・肩こりが、病気の出入口たる由縁は、このことからも説明できるのです。

 

さて、自律神経失調症の話に戻しましょう。自律神経失調症の代表的症状として、

 

動悸、食欲不振、不眠症、抑うつ感、めまい、耳鳴

 

などが挙げられます。

 

ここまでの説明でお分かりの通り、いずれも「内臓の不調+血液循環の停滞」によって生じた枝葉の症状です。代表的な自律神経失調症を系統的に、一つのモデル図で示すと、たとえば次のようになります。

自律神経失調症の系統図

この系統図をご覧になれば分かる通り、自律神経失調症は、「内臓の不調+血液循環の停滞」によって生じる、諸症状の集まりです。

だから、自律神経失調症を「疲れの総合症状(者)」と捉えることによって、より適切な処置がされやすくなる、このように考えています。

※上記の図は、あくまでの一つのモデル図であって、全ての自律神経失調症を説明しているわけではありません。

今回のまとめ

「脳を中心において、自律神経に関わる問題が解決されないのであれば、その逆で考える」発想の逆転を行うなら、自律神経失調症は、

 

「内臓の不調+血液循環の停滞」によって生じる、諸症状の集まり

 

と認識し直すことができます。

だから、自律神経失調症を「疲れの総合症状(者)」と捉えることによって、より適切な処置がされやすくなる、と考えます。

 

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