なぜ、体質と症状の因果関係を知ることが大事なのか?
「症状改善」というゴールを達成するには、患者さんの自己回復力を引き出せるかにかかっています。
そのための設計図が、施術戦略です。
施術戦略上、まず最初にすること。それは、症状で苦しんでいる<その人>の、
「今、体がどういう状態であるか」
を明らかにすること、つまり現状認識です。
現状の明らかにした後に、症状に至るまでのメカニズム(経緯)を明らかにします。症状のメカニズムは、複数の因果関係が絡み合っていています。
因果関係は、因と果の二つによって構成されているのではなく、因果の間を結びつける「縁」にがあって、因果関係が成立します。
因⇒縁⇒果
です。
いきなり、『因⇒縁⇒果』と聞いても「は⁉何、それ?」って、なるかもしれません。
『因⇒縁⇒果』は、簡単に言えば、「原因」「きっかけ(条件)」「結果」です。
症状の『因⇒縁⇒果』が明らかになることで、その方の『体質』も明らかになります。
そこで、この『体質』って、どんな意味か、ご存じでしょうか?
体質⁉う~ん、体の性質のことかな…
そうですね。そこで、せっかく因果関係というキーワードが出たので、補足説明すると…
何かの刺激が体に加わった際、
人によって異なる反応の現れ方
つまり、体(因)⇒刺激(縁)⇒反応(果)、この一連の流れを、当院では、『体質』として認識しています。
この『体質』について理解するためのたとえ話を、ご紹介します。
ある日曜日、Aさん、Bさん、Cさんの3人で、レストランで、お食事をしていたときのこと。
3人は、久しぶりの再会で、お食事しながら、会話を楽しんでいる様子でした。
しばらくすると、Cさん、少しおかしい様子。
ゴホン、ゴホン
実は、このCさん、2人と出会う前日から、喉に違和感を感じていたようでした。
そして、その翌日…
Aさんも、自分の喉に違和感が。
「あっ、カゼ、移されたかも」
その晩、発熱し、カゼが完治するほどまで、約1カ月ほどかかったそうでした。
その一方で、Bさんは、翌日もいつもと変わらず、元気な様子。その後の1か月間も、無事に過ごしたそうでした。
この場合、Aさんに風邪が移った原因を、ついつい、Cさんやウィルスのせいにしてしまいがちです。
でも、同じ条件下で、Bさんには移っていません。
この二人の違いは、それぞれの免疫力(自己回復力)が適切に働いたかどうかの違いです。
となると、Cさんやウィルスは、カゼの原因ではなく、きっかけにしか過ぎません。
本当の原因は、免疫力が適切に働かなくなった、そのときのAさんの体の反応の質の問題、つまり『体質』の方にあったのでした。
ここで、一度まとめますと、
Aさんの、その時の体の状況(原因)
⇒Cさんorウィルス(縁)⇒カゼ(果)
となります。
このように、『体質』と『因・縁・果』と絡めて、一つ一つの症状の因果関係を明確にすることで、
●病・症状に至るまでのプロセスを「自分ごと」として捉えられる
●ある条件が体に加わると、症状がひどくなるor変わらないor軽くなる
といった、条件設定に伴う症状の変化
●症状の体質を克服するための養生法
などが、芋づる式に明らかになります。
それにより、平均値的な体の情報とは異なる、自分の体に関して賢くなれます。
「症状改善」というゴールを達成するには、適切な医療を受けることは、もちろん大事ですが、
それより遥かに大事なこと、それは、
自分の体に関して、
自分が一番の専門家になる
ことです。
つまり、自分の体を完全に人任せにしない意識が、「自己回復力を引き出す」、一番のポイントです。
普段は、自分の体は自分で守る、そしていざ何かあったというときに、医療の力を借りる、こういった意識で日常生活を送れると、主体的な健康管理ができるようになります。
主体的に健康を管理できる人は、自分(の体質)とは関係の無いネットやテレビなどの情報に惑わされず、過剰に不安を感じる機会も減ります。
これが、
本当の根本改善
への一番の王道だ、と私は考えております。
とは言っても、自分の体について理解したうえでの根本改善は、かなり困難であるのも事実です。
鍼灸師である私自身が、自分自身の体質を理解できるようになったのは、鍼灸師になって10年以上を過ぎた頃ですから…。
それでも、根本改善に行き着くまでの途中で、症状は十分に解消されますので、その点は、ご安心ください。
以上のことから、自分の体の理解を深めるために、専門家に「依存」ではなく、専門家を「利用」するという気持ちで、漢方医学にまず近づいていただきたい、と切に願っています。
「対症療法型の鍼灸」と「体質カイゼン型の鍼灸」の比較
これまでお話ししてきた、因果関係から体質を明確にして施術する体質カイゼン型の施術方式は、美容鍼灸、スポーツ鍼、あるいは一般的な整骨院で行われている局所的な鍼灸療法とは、全く異なります。
体質カイゼン型の鍼灸は、「因果関係をはっきりさせない」あるいは「症状の部位にしか着目しない」、そんなあいまいで、対症療法型の施術と比べて、よりスムーズかつ本質的な『症状の克服』が期待できます。
尚、当院では、体質カイゼン型の施術方式を採用しております。
体に関する不安を軽減するための最善策
そのために、少しでも、患者さんが日常生活を安心して暮らせるように、お一人お一人異なる体質、そして症状の因果関係について、分かりやすくお伝えしております。
このように、体質と症状の因果関係を重視する当院のスタイルの施術は、あなたにとって価値を感じられることでしょうか?
当ページが、「あなたが自分の体について賢くなって、症状に悩み続ける人生に終止符を打つ」、そんな架け橋になれたら幸いです。
体質カイゼン型の鍼灸のメリット
〇体質という「因」と、症状という「果」を結びつけるのは、生活習慣。病気に繋がる生活習慣を見直すことで、症状が緩解しやすくなる
〇自分の体質とは関係が無い、ネット・TV・雑誌などの余計な情報に振り回されなくなる
〇体質カイゼンした結果、症状の再発予防だけでなく、将来起こり得る、他の病気も予防できる
お電話ありがとうございます、
漢方鍼灸院 大阪市てんま吉祥堂でございます。