前回までのお話を通じて、「ストレスの本質は、動きの自由度が減少した状態」とお伝えしました。
ここからは、具体例を挙げながら、「ストレスとの付き合い方」について考えていきましょう。
2つのストレス対策法
ここから、「ストレスとの付き合い方」を、簡単にストレス対策と表現していきます。
ストレス対策には、
〇情報処理能力が下がるような刺激を避ける⇒消極的ストレス対策
〇情報処理能力を上げるための刺激を求める⇒積極的ストレス対策
大きく、これらの2つの観点に分かれます。
どちらの対策であっても、「動きの自由度」を最大限に確保することが目的です。
消極的ストレス対策
前者は、ストレッサーになりうる刺激・変化に接近しない、あるいは予めストレス反応が起こることを想定して、それに備えることを目的にしてします。
それにより、刺激に対する情報処理能力が下がる機会が減り、「不安・イライラ・気持ち悪い」というストレス反応を回避できます。
例えば、テロ・災害などの悲惨な情報に触れない、苦手・嫌いな人物に会わない、防災グッズを購入する、保険・保証に加入するなどが挙げられます。
こういったストレスに対して回避・準備する取り組みを消極的ストレス対策と呼びます。
積極的ストレス対策
それに対し、後者は、ストレッサーになりうる刺激・変化に接近することで、情報処理能力を上げていくことを目的とします。
例えば、勉強、筋力トレーニング、研修、専門技術の修業などがそれに当たります。
これらの技術・技能とともに、ストレス耐性も向上していきます。
こういった情報処理の能力とともに、ストレスへの抵抗力の向上を図ることを積極的ストレス対策と呼びます。
積極的+消極的ストレス対策
中には、ある面では積極的ストレス対策、別の面では消極的ストレス対策、2つの観点を兼ねているものがあります。
例えば、インフルエンザの予防接種などの各種免疫療法が、これに相当します。
インフルエンザの予防接種は、免疫の処理能力を上げるという意味では積極的ストレス対策ですが、インフルエンザ感染による大きな体調不良を回避するという意味においては、消極的ストレス対策とも言えます。
このインフルエンザの例のように、何をもって消極的、積極的とするかは、そのときどきの状況・視点によって変動します。
また、消極的・積極的どちらの対策にいい・悪いはありません。
その場・その時・その人などの状況に応じるために、刺激との距離(間)を調整することが重要です。
更には、対策を選択する側がどういう「態度」を取れるかが大事になります。
先ほども軽く触れた、この「態度」について、これ以上詳しく触れず、別の機会でお話しますね。
次回は、消極的ストレス対策の中身をみていきます。
(5)のまとめ
〇ストレス対策は、「動きの自由度」を確保するために行う
〇ストレス対策において、その場・その時・その人に応じて、刺激との距離(間)を調整していくことが重要
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