PMSのイライラ体質の正体
「イライラ体質」と肝臓の意外な関係
このパートでは、PMS症状が起きる要因を、漢方医学的な視点でみることにします。
西洋医学では、黄体ホルモンの増減による、セロトニンなどの脳内ホルモンや神経伝達物質の異常が、PMS/PMDDの原因としています。
一方、漢方医学では、生命維持の中枢を、脳ではなく、内臓に置いています。そのため、脳より内臓の機能が主体となって動いていると考えられています。
特に、女性の生理周期と深く関わる内臓は、肝の臓です。生理前になると、肝の臓からの号令で、生殖の準備に備えて、子宮に血液を送り込まれます。
このとき、肝の臓の「準備」が、筋肉や脳に緊張状態をもたらします。
生理前にイライラが起きる現象をイラスト化したものが、下の図です。
なぜ、生理前にイライラするのか?
多くの現代日本人は、脳の初期設定が頑張りモードになっています。
女性の場合、生理の準備で、肝の臓からの指令によって、脳の頑張りモードに拍車がかかることで、なおさらイライラしてしまいます。
そこで、まず、肉体レベルで、肝の臓からの頑張りモードを緩めることが必要です。
頑張りモードを緩めることがPMS症状改善の鍵
その次に、精神レベルの問題に対して考えてみましょう。
そもそも、なぜ頑張りモードから抜けられないのか、それがPMS症状を持っている人とそうでない人の違いを読み解くカギになります。
私自身の20年以上に及ぶ臨床経験から、また、Iさんの事例から分かるように、PMS症状は、幼少期からの「記憶」が大きく関わります。
とりわけ、女性特有の葛藤が、幼少期に身につけてしまった身体の感覚として、記憶化されている場合があります。
たとえば、日本の風習でいえば、男性優位の社会体制といったもの。
あるいは、家庭であれば、親からの直接的な言葉であったり、あるいは家庭での「女性は男性一歩引く」といった空気感や、親の態度を感じることで、無意識にプログラム化されている場合があります
そうなると、頑張りモードを意思の力で緩めていくことは容易ではありません。
この”信じ込み”からの頑張りモードを緩めることが、PMS症状そのものを緩めることにつながります。
そして、そのことは、PMS症状だけでなく、その他、不妊症、子宮筋腫、更年期障害、あるいは婦人科系がん疾患を防ぐことになります。
その意味で、PMS症状は、婦人科疾患のファーストメッセージと言えます。
その意味で、どのように、症状からのメッセージを受け取るのか、その後の女性としての健康に大きく左右します。
だから、PMS症状を決して悪いものとして扱わず、症状があなたに何を訴えかけているのか、耳を傾けることが必要なのです。
他と違う当院独自のアプローチ
症状は、本当の自分を取り戻す絶好のチャンス
そこで、当院では、PMS症状に対して、身体だけでなく、症状の根底にある記憶から、頑張りモードを緩めていきます。
PMS症状は、Iさんが実際にされたように、これまでの生活やご自身を見つめ直す絶好の機会です。
このように捉えることで、本当の自分を取り戻しながら、PMS症状をやめれるようになります。





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漢方鍼灸院 大阪市てんま吉祥堂でございます。