うだるような暑い日が続いた8月が過ぎ、もう9月になりました。
昼はまだ、皮膚がジリジリするほど、日差しが強い日も続きますが、朝晩は、秋に向けて、徐々に気温が下がってきます。
その一方で、暑さの余韻で、9月一杯は、まだ台風が発生することも予測されています。
さて、夏から秋にかけての季節の変わり目は、「気分の落ち込み」「疲れやすい」「頭がクラクラする」など、自律神経の乱れが生じじやすい時期です。
こういった夏の後半より現れる体調不良は、『5月病』ならぬ『9月病』と呼ばれています。
また、もともと頭痛や関節痛を持っている方は、「イタタ」と痛みが悪化することもあります。
このように、気圧、温度、湿度などの変動によって起こる心身の不調を気象病と言われています。
このことから、私たちの体は、自然とつながっているということが、良く分かりますよね。
では、何とつながっているのかというと、漢方医学的に一言で表現すれば、【気】です。
体の中で【気】がスムーズに巡っていると、気候の移り変わりに対応できます。
反対に、【気】の巡りに偏りが生じると、自律神経が乱れ、過去の古傷を感じやすくなります。
気の流れが「止む(やむ)」ことは、つまり、「病む(やむ)」ということです。
5月病、9月病、共に「やる気の低下」「倦怠感」など同じような症状が現れますが、
時期や場所によって、また人によって原因が異なります。
では、秋特有の気象病の正体は、一体なんでしょうか?
こんな、秋の体調不良でお悩みでありませんか?
【9月病の代表的な症状】
<体の不調>
□ 体がだるく力が入りにくい
□ 少し動いただけで疲れる
□ 頭がクラクラする
□ 食欲がない
□ お腹が張りやすい
<心の不調>
□ やる気が起きない
□ 些細なことで落ち込む
□ 不安や寂しさを感じやすい
□ もどかしさを感じやすい
□ 溜息がでやすい
気が下向くことがが原因⁉
もしかして、上の項目に3、4つ当てはまるようでしたら、ひょっとした夏バテが、そのまま秋バテに移行している可能性が高いです。
5月病が現れる春は、木の芽時期と言われ、“陽の気”の流れが上向きの傾向です。
それに対し、収穫の秋は、旺盛だった陽の気が落ち着き、気の流れが下向きです。
そのため、春・夏より、何か物事をしようとする意欲が、低下しがちになります。
もし、上記の症状に、心当たりがあるようでしたら、消化器の弱りが考えられます。
ということで、9月特有の体調不良を乗り切るコツは、夏バテ対策に引き続き、胃腸を大切にすることです。
そして、もう一つ、注目すべき臓器は、秋に対応する「肺」です。
秋は、アレルギー性鼻炎、咳、喘息など、呼吸器系のトラブルが現れやすい時期です。
これらの呼吸器系の症状の根本は、消化器の働きと関係します。
胃と肺、どちらも共通することは、外側から内側に、それぞれ、食べ物、酸素と生命に必要なものを摂り入れ、不要になったものを、便、二酸化炭素として排出すること。
つまり、胃と肺は、新しいものと古いものを、出し入れして、全身に栄養物を分配する、重要な器官です。
そして、外から入ってくるという意味では、飲食物、酸素に限らず、“情報”も同様のことが言えます。
脳内の不要になった記憶を整理することで、古くなった情報が排泄され、新しい情報が栄養として吸収されやすくなります。
すると、全身にイキイキとした気が巡って、細胞が息を吹き返すことがあります。
ということは、気象変化によって現れる、様々な症状も、実は、脳の誤作動によって起きているということです。
食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、そして、実りの秋は、一度、落ち着いて、ここまでを振り返る絶好の機会です。
では、この秋を活き活き、充実して過ごせるよう、体・言葉・意識の身口意をととのえていきましょう!
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