前回、小学校1年生の祥子ちゃんと一緒にストレスについて考えてみました。
では、「どうなると、ストレスを感じるのか?」、ストレスを感じる仕組みについて、今回から数回にかけて、更に掘り下げていきます。
まず、今回は、「ストレスを感じるまでの流れ」について、お話してみたいと思います。
ストレスの一般定義
ストレスとは、もともと物理学の分野で使われていた用語で、
物体の外側からかけられた圧力によって歪みが生じた状態
を意味していました。
ストレスを風船にたとえてみると、風船を指で押さえる力をストレッサーと言い、ストレッサーによって風船が歪んだ状態をストレス反応と言います。
これを医学的に置き換えると、ココロやカラダにかかる外部からの刺激を「ストレッサー」と言い、ストレッサーに適応しようとして、ココロやカラダに生じた様々な反応を「ストレス反応」と言います。
ストレッサーには、大きく、次の3つに分かれます。
物理的ストレッサー
暑さや寒さ、騒音や混雑など
化学的ストレッサー
公害物質、薬物、酸素欠乏・過剰、一酸化炭素など
心理・社会的ストレッサー
人間関係や仕事上のトラブル、家庭のトラブル、進学・就職・結婚・出産など環境の変化
私たちが、普段、「ストレス」と言っているものの多くは、この「心理・社会的ストレッサー」を指しています。
一般に、外からの刺激が「ストレッサー」になるかならないかは、刺激を受け取る人によって異なります。
例えば、
気温が25℃から、急に10℃い低下して、風邪を引く人もいれば、引かない人もいる(物理的ストレッサー)
Aさんは卵にアレルギー反応を示すけども、Bさんはアレルギー反応を示さない(化学的ストレッサー)
体育は好きだけども、算数は嫌い(心理・社会的ストレッサー)
というように、ストレッサーは、それを受け取る人の体調・体質・価値観・経験などによって流動的で、固定的ではありません。
外的刺激が「ストレッサー」になる・ならないかを決めるのは、刺激に対する生体の情報処理システムによります。
ただし、気温50度、放射能物質、一酸化炭素、テロ実行者などのストレッサーは、受け取り側の状態を問わない「生命の危険を脅かすストレッサー」です。
これらの「生命の危険を脅かすストレッサー」は特殊例で、個人の情報処理能力をいくら高めたところで、その対応は極めて困難です。
さて、生体内部でスムーズに情報処理しにくい外部からの刺激は、やがて生体にとって「ストレッサー」化します。
それに伴って、アタマ・ココロ・カラダに現れる反応が「ストレス反応」です。
今後、これらの「外部刺激⇒内部での情報処理に手間取る⇒刺激のストレッサー化⇒ストレス反応」の一連の流れを、ストレスと呼ぶことにします。
そこで、次回、生体内で刺激の情報処理過程(システム)を、もう少し詳しくみてましょう。
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