症例3 過労時に伴うめまい、首・肩のこり

自律神経症状改善の症例報告

症例3 過労時に伴うめまい、首・肩のこり

患者:女性 70歳 主婦

初診日:2011年10月25日

①回転性のめまい
30年前より、肉体疲労時にめまいを発症して以来、5~6年に1回出る。

今回のめまいは8月から発症。ひどい時は、座っていても寝てても、目が回っている。

耳鼻科受診を受診し、一度軽減するも、10月に再発。

ひどくなる時は座っていても、寝ていても目が回っている。

<増悪因子>
手芸など集中しての作業後。

②首・肩こり(後頭部から肩井あたりまで 左=右)
16年前に顎下腺腫瘤(右側)の手術をして以来の肩凝りがきつくなった。重く痛い

左股関節が痛い

風呂上がりにパンツを穿く際、左足を挙げると痛む

5~6年前より、両耳に補聴器を入れている。

※解説イラストは表記上、裸モデルを使用していますが、実際は服を着用したまま、診察・施術を行っております。

40代、妹さんの病気の看病で奔走していた時期。この後に、めまいを発症。

44歳 右顎下腺腫瘍、その2~3年後くらいから肩こりがきつくなってきた。

61歳 右乳ガン切除、その後更に肩こりが悪化。

64歳 手のしびれが出てきた頃で、67歳で趣味の手芸を止める。

70歳 8月に、3年ぶりに手芸を再開したところ、主訴発症したため、再び休止

10月手芸を再開したら、めまい再発。

【漢方医学的診断】
肝うつ気滞・腎虚に伴う頭部胆経における気血の流通のアンバランス

【施術】
右申脉穴のみで4診で完了。その過程で、当初、訴えに聞いていなかった左股関節の痛みも緩和。

まとめ

顎下腺腫瘤と乳ガンが、右側に発症したことから、体の右側上部に気血が停滞しやすい体質傾向にあるようでした。

それにより、本人の自覚として肩こり左右同じくらいであるものの、 触診上、右側の肩こりのほうが古い様子を感じました。

また加齢とともに下半身の機能が弱くなることで、身体上部に気血の停滞が起きやすい状況にありました。

そこで、右くるぶし下の申脉穴にしたところ、4診目でめまい消失。と同時に、左股関節痛も軽減しました。

適切な治療により、全身の統一性が取れることで、めまい・首肩のこりと、左股関節痛、関連性のなさそうな症状であっても、数珠つなぎに緩和していくことは、漢方鍼灸ではよく経験することです。

また、それが漢方鍼灸の一番の醍醐味であり、患者さん・術者双方にとって、大変うれしいことでもあります。

こちらに、本症例の患者さんの喜びの声を紹介させていただいています。

メンタルから自律神経が乱れたときの真の解決策とはについて詳しくはこちら

この記事に関する関連記事

漢方鍼灸院 大阪市てんま吉祥堂