アトピー・蕁麻疹改善の症例報告 症例1 風邪引き後のじんましん

症例1 風邪引き後のじんましん

患者:女性 48歳 自営業

初診日:2011年4月15日

<じんましん発症の経緯>
じんましんが、来院2週間前に発症。

花粉症の状態だったところに、風邪を引いた(発熱は無かった)。

咳・鼻水が出たので、当初、花粉症が悪化したものだと思った。

耳鼻科受診をしたところ、抗生剤を1回服用し、咳・鼻水は1日で治まったが、じんましんが出現(本人曰く、発汗はできた)。

一時、治まっていたじんましんが、4月4日から首~胸~腹など胴体部に出現。

因みに、ここ2年、夏になると胸が痒くなりやすい。

<じんましんの状態>
凸型の紅班、痒いので掻くと赤くなる。

発症部位は、顔~胸と上半身中心。

時々、手のひら、足の裏にまで出る(上肢・下肢は出ていない)。

お風呂に入った後やホッとした後に悪化しやすく、仕事中はあまり気にならない。

深夜から明け方に発症しやすく、痒みで眠れないことがある。

〇頭全体に頭痛

〇4年前からPCの使用時間が長くなった頃から、寝違いを起こしやすくなった

〇左頚部痛

〇疲労時の腰痛

〇春先(3月末~5月)の花粉症 など

※解説イラストは表記上、裸モデルを使用していますが、実際は服を着用したまま、診察・治療を行っております。

24歳 結婚。義父に対してのストレス過多。

結婚後、それまで28日の生理周期が、半年、2年間止まることがあった。

30代後半 元主人の愛人がいることが分かり、ストレス過多

39歳 離婚

44歳 自営でネット関連の仕事をするようになる。PC作業が増え、首・肩こりがきつくなる。

48歳 引越後、疲労過多。この頃より、顔ののぼせ感があった(ホットフラッシュ)。

<食事について>
食事は、肉類・揚げ物を食べることがほとんどなく、野菜や豆腐料理などをよく食べる。

【漢方医学的診断】
心肝火旺>腎虚(=心熱腎虚で血分まで熱が波及)

【施術と経過】
1診・2診 後谿

3診 後谿・照海

4診 照海・百会

5~13診 至陽・霊台・後谿・申脉から一穴、井穴刺絡(6診 井穴刺絡のみ)

14診~17診 後谿(15診のみ 申脉追加)

じんましん発症の要因として、

●気象変化によるもの(寒熱両方あり)

●血液に余計な熱がこもる

●飲食の不摂生による胃腸に湿気と余計な熱が合わさった老廃物が溜まる

●気血の不足

が挙げられます。

この方のじんましんがどのタイプかは、問診とお身体の診察にて決定していきます。

問診情報では、<じんましん発症の経緯><既往歴~現病歴>記載の「ここ2年は夏になると胸が痒くなりやすい」「ここ4年間、仕事がかなり忙しく、パソコン作業が増えたことで、肩凝りがきつくなった」が有力情報です。

そんな中、2011年3月上旬に、花粉症が発症した頃に風邪を引き、耳鼻科を受診した際に処方された抗生剤にて咳や鼻水は収まるも、その後、じんましんが発症しました。

<問診+体表観察⇒診断>
問診から、おおよそ何らかの熱が関与しているのは推測できました。

熱性の病の場合は熱を示す脈を確認できることが多いのですが、この方の脈は、初診の段階では表面が硬くかなり細い脈で、熱を顕著に示す脈ではありませんでした。その場合、他の診察情報から補う必要があります。

舌診では、

舌本体が真っ赤、更に舌先が赤い点が多く集まっている、背中での診察から心臓に熱がこもっている反応

を確認できました。

これらの情報から症状の成り立ちを

元々ストレスにより身体に余分な熱をこもらしていた所に、風邪を引いた。抗生物質により、咳・鼻水といった典型的な風邪症状は収まるも、元々あった熱は発散されずに、身体の奥に位置する血液の方へ沈んでいったことによるじんましん

と診断しました。

しかし、脈がかなり細く、一部気血の弱りの存在も考えられるので、刺激量に気をつけながらの施術法を選択する配慮が必要だと考えました。

4回目までの施術は、熱をさばくツボへの施術を行いましたが、施術した日の晩はいくらか楽になるものの、症状の緩解はあまり大きくはありませんでした。

ところが、5回目の施術で、手の指先から血を出す”刺絡”治療をしてから、脈が細く堅い脈から、反って本来の熱を示す滑脈を示すようになっていきました。

この脈の変化から「ようやく病の本質が外へ現れ出したな」と推測できました。

すると、案の定、5回目から、深夜の痒みが劇的に軽減しました。

最初から、この刺絡治療を行えば、症状の改善がもっと早かったかもしれませんが、脈が細かったこともあり、刺激が強い刺絡療法を施術初期では選択できませんでした。

患者さんにお身体の負担なく施術を受けていただくのが、鍼灸治療の基本であるために、弱りを示す身体の所見が一つでもあれば、最初から刺激性が強い治療法はファーストチョイスとしてはベストではありません。

この症例の様に、診断は正しいのにも関わらず、症状の改善がいまいち改善しない場合、治療戦術の見直しが必要になってきます。

刺絡療法を行う前に、一度、水を補うことで内熱を冷ます治療をした際、脈の太さに変化が乏しかったので、

「少々の熱をさばく治療では若干の変化しかなく、逆に陰を与えては脈の変化がほぼ無いのであれば、一見弱り示す脈の所見は仮の姿だ。奥深くにある熱を徹底的に取り除かなねば」

ということで、刺絡療法がベストな治療戦術として選択したところ、症状の快方に向かった次第です。

この様に、漢方的な鍼灸の施術において、その時々の整体の虚実の主従を見極めたうえで、刺激(作用)量を変えていくことが大切なのです。

こちらに、本症例の患者さんの喜びの声を紹介させていただいています。

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