症例2 PMS症状と更年期様ののぼせ
患者:女性 47歳 会社員
初診日:2011年11月2日
①生理2週間になると現れる、PMS諸症状 肩こり・胸苦しさ・動悸・息切れ・めまいなど
<肩こりに関して>
2005年に14年間滞在していたエジプトから帰国した頃からの症状
頚肩ともに水が滞ったように重い。
歩行中は腕が重力でもげそうな感覚。
<増悪因子>
生理2W前~直前(腎結石が溜まる頃と重なる)
<緩解因子>
おふろ、マッサージ、エレキバン
②更年期障害様のホットフラッシュとのぼせ
上半身と足底に汗をかきやすい
寝汗、足のほてり
〇腎結石が溜まる頃に、顔・腕・脚がむくむ
〇胃もたれ、腹の張り
〇一日中疲れた感じ
※解説イラストは表記上、裸モデルを使用していますが、実際は服を着用したまま、診察・施術を行っております。
27歳 エジプトに移住
32歳 食生活が乱れ、尿管結石になる
40歳 エジプトから日本に帰国してから、夏になると、汗をかいて結石がたまりやすくなる。
日本の湿度の高さにより体調が崩れがちになる(帰国した理由として、両親の面倒を見なくてはならない状況になった)。
ここ5年、生理2週間前より電車に乗っていると、胸苦しさ・動悸・息切れ・めまいが度々起こる。
(めまいにかんして前年夏に回転性のめまい)
大便:大黄丸を服用して1日1回、飲まないと便秘。先硬後軟で臭いきつい
小便:濃黄~黄濁 臭いあり
【漢方医学的診断】
肝うつ気滞化火、腎虚、脾胃⇒膀胱湿熱
【施術】
不容(上腹部の肋骨の際)、申脉(外くるぶしの下)、照海(内くるぶしの下)、百会(頭頂部)、後谿(手の小指)より1穴選択
11月2日より治療を始め、11月中は5回の来院。
肩凝り軽減と共に、PMS(生理前)の諸症状も治まっている。
以降は、肩こりや結石の痛みも出そうなときに、月1,2回の来院となる。
PMS症状により生理前の肩こりが増悪される女性は多くいらっしゃいます。
また、同じPMS症状であっても、40代前後になってくると、腎の衰えにより、付随する症状も変わってきます。
本症例の患者さんの場合、腎虚という下半身の衰えにより、更年期障害様のホットフラッシュ(上半身の汗・のぼせ)といった、身体上部に気が上逆する症状をお持ちでした。
その一方で、体質的な要素として、湿痰邪による体のむくみと腎結石があったので、治療初期では、気滞と共に湿痰邪をさばくことを重きを置いたところ、比較的早期に肩こり以外の諸症状も同時に改善していきました。
漢方医学では、「婦人科疾患症例報告」の症例1と症例2で、同じPMS症状であっても、診立てが異なれば処置も異なります。
これを、専門的に同病異治と言います。
ところで、始めは鍼1本による治療に対して、毎回、疑いを持ちながら来院されていたという本患者さん。
初診から1ヶ月間は週1の来院で、肩凝りが軽減し、それ以降、PMS症状に悩まされることが、徐々に軽減されていきました。
また、その過程で、ここ7年間、夏前ごろから現れる腎結石に伴う腰背部の痛みが現れていないことを大変喜ばれています。
本患者さんのように、お身体の調子が回復していく中で、当院のような鍼1本の治療に対して信頼を置いていただくのは、本当に治療者冥利に尽き、有り難い限りです。
※こちらに、本症例の患者さんの喜びの声を紹介させていただいています。
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