なぜ、ひどい頭痛になるのか?~頭痛のキホン

頭痛も、その原因や特徴は、人によって様々です。

「そんな原因や特徴は、もうええから、どうやったら、私の頭痛が解消すんねん?」、と早く頭痛の解決策を知りたいことでしょう。

もう少し、お待ちください。

 

これから、ひどい頭痛が出るまでのプロセスを説明します。このプロセスを理解できれば、頭痛の正体をつかむ第一歩になります。

これから、頭痛の正体をつかむためのキホンとなる考え方をご紹介します。

頭痛の因縁果関係を知ることが解決の第一歩

まず、大前提として、検査によって頭(脳)に異常がないのを確認できたのであれば、「頭に原因は無いから大丈夫だよ」と、あなたご自身に伝えてあげてください。それだけで、頭痛の不安が少しでも減れば、問題解決の一歩進んだことになります。

 

焦ると、痛みを余計に悪化させます。だから、焦りは禁物です。

 

それでも、「頭に原因が無いのに、なんで頭痛が起きるの?」と思われるかもしれません。

漢方医学では、頭痛、そして関連のある首・肩こりも、頭・首・肩といった局所ではなく、大きく「体自体の疲れ」の一症状として捉えて施術していきます。

先のパートで示しました、「自律神経症状の見取り図」と「自律神経症状が生じるまでのチャート図」のところまでスライドして、もう一度、読み返してください。

 

それを踏まえ、「体自体の疲れが、どのような経過をたどって、頭に影響して、頭痛が起きたのか」を知ることが頭痛解消の鍵になります。

つまり、

 

ある部分の疲れ(因)⇒頭痛(果)

 

この因果関係の流れが大原則です。そして、その「疲れ」が、どこから起きたものか、見極めたうえで、なぜ頭痛が起きるのかを、ヒアリングと体表観察にて明確にしていきます。

その疲れの程度を知る指標として、大きく3つに分けられます。それは、エネルギーの観点でいえば、「不足(虚)」「停滞(実)」「不足と停滞の混合」です。

 

まず、この全身の歪みパターンを見極めることが、「頭痛」の原因を明確にする第一歩です。

そこで、エネルギーの過不足によって生じる「痛み」についての、漢方医学の格言をご紹介しましょう。

『不栄則痛』⇒虚痛
(栄えざればすなわち痛む⇒気血水の栄養が足りなければ痛みとなる)

『不通則痛』⇒実痛
(通じざればすなわち痛む⇒気血水の流れが滞ると痛みとなる)

これは、頭痛に限らず、胃痛・生理痛など、あらゆる「痛み」に関する原理原則です。

そこで、エネルギーの「虚(不足)・実(停滞)・虚実混合(不足と停滞の混合)」という問題が、「どこ」で起きているのか、知ることが重要になります。

エネルギー問題が起きる場所は、漢方医学では、「臓腑経絡」という概念を設定して対応していきます。

 

臓腑とは、内臓のことです。臓と腑、それぞれの役割は、

臓⇒消化吸収されたものをエネルギーとして蓄える内臓(肝臓、心臓などの五臓)
腑⇒消化物の清濁を選別して、それを伝達する内臓(胃腸、膀胱などの六腑)

です。

経絡とは、各臓腑が協力して働くためのエネルギーの連絡通路のようなものです。

 

これら臓腑と経絡の間で、

●エネルギーが足りないのか、渋滞してあふれているのか、あるいは両方あるのか(虚・実・虚実混合)
●冷えているのか・熱しているのか(寒熱)

を知ることによって、一人ひとり異なる『頭痛』のストーリーが、ようやく明らかになっていきます。

 

ここで、一回、まとめます。

 

臓腑と経絡の不調(因)
⇒体の疲れ(縁)
⇒頭痛(果)

 

この流れで、頭痛が起きるということを押さえておいてください。

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